マッカランと言う名のお酒
皆さんは叶えたい夢をお持ちだろうか?
私には壮大な夢がある。それはお洒落バーの常連になるってこと。
通な人しか知らないような隠れ家的バーに行き、颯爽と注文したい。
見てる誰しもが酔いしれてしまうような立ち振る舞いを見せたい。
バーに行って頼むお酒はもちろんウイスキー(ロック)。だってモテたいから。男の子だもん。
でも銘柄が全然分からないから、棚に飾ってあるボトルを端から端まで舐めるように見渡す。その目線はまるで百戦錬磨のウイマスのよう。※1
実際は陸の上のニジマスかと思うくらいのひ弱さなのに。
とりあえず棚のボトルを舐めまわしたあと、私は注文する。
「そうだな、マッカランのロックで。」
ウイスキーといえばマッカラン。そんなことを上司が言ってたような気がする。あれ、後輩だったかも。
マッカランの味が他のウイスキーに比べて格段良いのかは分からない。けれどもよく名前を聞くくらいだし、きっと美味しいんでしょう?と思いながら注文する。
「ーどうぞ。」
マスターの洗練された仕草でグラスに注がれたマッカラン。私はグラスを一回転させ、隅から隅までを観察する。確かにマッカラン、って感じの見た目だ。なんとなく伝わるよね?
「では。」
グラスを傾け、琥珀色の液体を口に含む。
「ッッッッッッッッ!!!!」
まっっっっずくない〜〜〜?これ〜〜〜?ウイスキーってなんなの〜〜??
土を凝縮した味がする。グラスに入った土じゃん。そこの観葉植物と同じだよ。むしろ葉っぱがない分損してる。てか葉っぱの方が美味しい、きっと。だって要はサラダだもん。
サラダ食いてえ〜〜〜シーザーサラダが食べてえ〜〜
長年の疑問だけど、Caesar Salad でシーザーサラダなの意味わからん。
「ーいかがでしょうか。」
「うん、大地の香りがして美味しい。」
ー僕は今日も優しい嘘を吐く。